[インタビュー]



韓国希望製作所「募金専門家学校」
イ・ミョンヒ研究委員(1)

-募金専門家を養成せよ!-





 希望製作所ではさまざまなセミナーや講座を行っていますが、最近、人気のある講座として「募金専門家学校」があります。非営利団体で大きな課題は安定的な財政基盤をつくることです。現在希望製作所では、毎月300人ずつ会員が増えており、全体では5000人ぐらいの会員に支えられています。

 「募金専門家学校」を担当しているイ・ミョンヒ研究委員は、以前「美しい店」でマネージャーをしていました。その後希望製作所の地域広報センターの運営責任者として仕事をしていました。

 「募金学校」については、ときどき問い合わせをいただきますので、今回その内容についてイ・ミョンヒさんに紹介をしてもらいました。



添付画像







―募金学校の目的や事業内容について教えて下さい。


 募金学校は、韓国にある非営利団体を対象にしています。もちろん、非営利団体といってもいろいろです。草の根募金団体、大学、病院、既存の大きな機関もありますが、そのような非営利団体が募金に対して、体系的な知識をもちながら実践しているわけではないので、募金について体系的に学び、募金専門家という分野を確立して養成すること、そして募金教育と講師を養成する学校をつくることが目的です。


―プログラム全体について説明していただけますか?

 募金学校は正規課程、単発講座、集中講座、発展講座、委託教育講座を設けています。正規課程は1年にだいたい2回、約10週行うのでトータル60時間、実習時間を加えると約80時間です。その課程には、講義、ワークショップ、そして実習があります。実は募金の講座というのはたくさんあるのですが、他と違う点は、実習があるということです。実習では具体的にある団体を対象にして、企画をし、実際に募金もします。そして、成果をお互いに共有し、どんな点が良かったか、どんな点が悪かったのか評価します。実習にのぞむと、たいへん自信がつくのです。希望製作所の募金学校の正規課程では、それが最も特徴的だといえます。




―実習は具体的にどこで行うのでしょうか?

 第1期での実習は、外部では行っていませんでした。きちんとした位置づけをしていなかったので、対象団体を限定して、申請してもらったのです。参加者自身が団体を発掘して、その団体や個人のために企画し、実践するようにしたのですが、あまりまとまりがつかなかったのです。第2期では参加者を募集する時、同時に寄付先の団体も公募しました。その時10団体ほどが応募してきて、参加者は、応募してきた団体のために募金を企画して、成果を上げました。
 第1期と第2期では内容も違ってきます。実は、最初は同じように進めていこうと思っていたのですが、いざ始めてみると変わってきました。私たちも初めてだったので、試行錯誤のなかから体系化していっているような状況です。

 これから募集する第3期は、また違うことを考えています。公募もしますが、大きな団体ではどのように募金活動を行い、プロジェクトを行っているのかを体験してもらうことも考えています。それは、実際に大きな団体からプロジェクトを委託して募金を行ってみるということです。第4期ぐらいになると、正規課程の枠組みが固まるのではないかと思います。
 ただ、社会はどんどん変わっていますから、正規課程もある程度基本的な枠組みはあるものの、社会の変化に合わせて変わっていく必要があると思います。第3期では、最近はiPhoneが流行っていて、ツイーターが盛んになっているので、正規課程に入れました。そのような方法でトレンドを反映するものもあります。



―第2期の時は募金を直接実習したということですが、具体的にどんな成果がありましたか?

 最も大きな成果は参加者が自信を得たことです。参加者は自分の団体に戻って、募金の提案や企画を、自信をもってできるようになりました。卒業生は、自分の団体で提案を行い、人を説得します。それは、学校で習ったことをもう一度自分の団体で実践することになります。
 募金を試みて、実際にそれが実現されるということは大きな成果ですので、私たちも、このことを広報として使うこともあります。ある団体では、毎月定期的に、24か月で計算すると、1000万ウォン以上の募金を集めたケースもありました。
お金でなくても、会員を募集したり、物品を寄付してもらったりする場合もあります。



―参加者は何人ぐらいで、どんな方たちなのですか?

 第1期は40人、第2期は50人でした。4、50人であれば、実習は5つか6つのグループができるので、そのような人数設定にしました。参加される方々はさまざまです。その期によってもまったく違います。
第1期の時は若い方々がたくさん参加されました。3、40代の方が多かったのですが、第2期の時は、やや年齢層が高くなり、30代が16人、40代が20人、50代が10人ぐらいでした。3、40代が主な参加者でしたが、第1期は非営利団体の方がたくさん参加し、第2期はそれよりも個人事業主や一般企業、例えば保険会社の方なども参加しました。
 事業をしている方も来られます。なぜなら、募金は人の感性に訴えて、寄付してもらうものですが、実際のところ、一般のマーケティングも同じだからだと思います。物を売ろうとするならば、どのような包装をすればその人に気に入ってもらえるかなどを考えるわけですよね。一般企業のマーケティングも非営利団体の募金のマーケティングも、お互いに学ぶべきことがあり、お互いにベンチマーキングできるようです。



-講師はどんな方たちですか?


 講師は一番悩むところです。この分野自体が新しいので、非営利団体に従事している人が、必ずしも体系的な知識をもっているということではありませんし、専門的な講義をできる人はそれほど多くありません。そのなかでも経験が多い人を、講師として養成することも募金学校の一つの課題です。
 まずは講師の発掘からはじまります。営利企業で講義した人のなかには、非営利団体とも関係がある人がいるので、そういう人に話をしていただくことが多いです。
 私は個人的にはそのような人にお願いするのがいいだろうと思っています。非営利団体も、営利企業から学ぶことが多いと思っているからです。営利企業のなかで専門性を持っている人が非営利団体に対して、どんな課題や改善点があるのかを助言をすることも大切だと考えています。そうすると、早く改善ができるのではないかという気がしています。
 非営利団体の方が話をした場合、視点がいつも同じだということが実は多いです。どうしても視野が限られてしまうのではないでしょうか。ですから、非営利マーケティングよりは、営利的なマーケティングを経験した人の視点で考えて、教育自体は実務中心に、全体を総体的に見られる教育プログラムにしていこうと考えています。





(次号に続く)

※インタビューでは募金に関する様々なポイントや興味深いコメントもうかがっていますので、数回に分けて、ご紹介する予定です。




Posted by ミネ

2010/03/25 17:56 2010/03/25 17:56

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